「オール5」をとる子は何が違うのか

板書を写すことに必死な子どもたち

 七ゼミに体験で来る子の多くが、私が板書をしながら解説を始めると一生懸命にノートを取り出す。きっと学校でもそうなのだろう。先生が説明をするのと同時並行で、黒板に書かれた要点を写していくわけだ。

 真面目なんだろうな、といつも思う。

 ただ、七ゼミでは私が話をしている間は手を止めて前を向き、そして私の話を聞くことをルールにしている。中には書きながらでも話が耳に入るという人もいるだろうが、「耳に入る」と「考えながら聞く」は別。能動的に話を聞こうと思ったら、ノートを書きながらではなかなか話に集中できない。

 その分、板書をノートに写す時間はたっぷりとっている。これも生徒たちとの約束事で、生徒の全員が書き上げるまで黒板は消さないし、次の話にもいかない。

 もちろん体験生や新入生の子たちには事前にそのあたりを説明はするが、普段の学校授業で身についた習慣はなかなかやっかいなもので、気づけば話の最中でもそれが義務のような感じで必死で黒板を写したりする。むしろノートを説明中に手早くとることを求める先生もいるから厄介だ。話を聞いているようで聞いていない、そんなことが癖のようになっている子は本当に多い。

聞く姿勢が変われば圧倒的に効率が上がる

 だから入塾当初から何も言われなくても解説中に自然と顔が上がっている生徒はいい意味でかなり目に付く。絶対と言い切れるほどの共通点ではないけれど、そういう子はだいたい最初から学力が高い。

 おそらく学校でもそうなのだろう、説明や解説を聴きながら、ときにはうなづいたり、ときには首を傾げたり、もう頭をフル回転で話を聴いている様子がありありと見えてくる。

 中3に一人、「オール5」の生徒がいる。主要5科目に限れば5人がオール5だ。共通点は上に書いた通り、授業中の話を聴く姿勢。みんなうなづいたり首を傾げたり、きっと頭の中で授業内容を反芻しているのだと思う。

 だから時間に無駄がない。授業で学んだことは授業で完結。きっとこういうことが習慣になっている子はどんどん理解が進んでいくんだろうと思う。

 だから七ゼミの授業は「前を向こう」「顔を上げよう」から始まる。