私立対策は何のためにやるのか

対応力を身につけるには様々な問題に触れみることが大切

 冬期講習から本格的に私立受験対策を行っている。私立高校で出題される問題は公立に比べて難易度は高い。教科書に載っていない内容も出れば応用的な思考力が必要な問題も出る。

 ただ、福岡県の場合はよほどチャレンジングな受験でない限り、私立高校に落ちることはあまりない。そのため一部の私立高校を除けばそこまで私立対策に力を入れなくても合格はできるわけだ。

 では何のために私立対策に時間を費やしているのか。

 それは子どもたちの学力を「一段階引き上げるため」だと七ゼミは考えている。

 どんな問題が出題されても柔軟に対応する力であったり、考え方や知識の引き出しを増やすことであったり、発想の幅を広げることだったり、公立高校の対策では得られづらい応用的な思考力を訓練する機会だと考えている。

 実際に、私立の対策を行うことで公立向けの模試の点数が上がることはよくある。それはそうだと思う。公立の問題の方が簡単だから。

 公立高校入試は教科書内容から基本的な問題ばかりが出題される。だからまずはすき間のないように、また見落としのないように中学校までに学習する基本的な事項を完璧に理解し覚えきることが勉強の土台になる。そこからはある程度パターン学習。福岡県に限らずだいたいどの都道府県でも公立入試の出題傾向は毎年変わらない。過去問の出題傾向に沿って反復していけば得点力は上がっていく。

 ただもう一歩の対応力をつけるためにはときどきパターンから外れた方がいい。いくら毎年の問題傾向が変わらないとはいえ、必ずしもパターン通りに出題されるとも限らない。ときおり問題傾向に変更が加えられる年度があるが、だいたいそういう年の入試は平均点が例年に比べて下がってしまう。

 また出題パターンが変わらなくても、問題によっては例年より難易度が上がることもよくある。解けると踏んでいた大問が解けなかった。得点源にしていた科目で点数が伸びなかった。問題がいつもより難しかった…

 入試の傾向が変わっても難しい問題が出題されても、入試である以上、必ず結果は合否で振り分けられる。入試本番に対応できた受験生とそうでなかった受験生、その差は間違いなく合否という結果に反映されている。だから万全を期すのであれば様々な問題に触れ、考え方のストックを増やしておくことが大切になってくる。

 私立対策はそのチャンス。