得点爆上げボーイはどうやって点数を伸ばしたか

苦手科目こそ勉強をすべき当たり前な理由

 受験勉強で大切なことは「弱点をなくす」こと。できなかった問題をできるようにすれば自ずと点数は上がっていく。当たり前なことではあるけれど、どうしたことかこれがなかなかできない子は案外多かったりする。

 きっとそれは弱点になっている科目を勉強することに強いストレスがかかるからだろうと思う。「弱点」になってしまうにはいろいろと要因があって、たとえば「嫌い」だったり「めんどくさい」だったり「むずかしそう」だったり。そういった思い込みがあるから勉強しない。そして勉強してこなかったからこそ弱点になっている。そんな現実があるのだと思う。

 受験生になったからといってこの「できればやりたくない」という気持ちは簡単にはぬぐえない子が多い。やらなきゃやらなきゃと思いながらも、つい得意な、または好きな科目の勉強を優先してしまう。私自身も学生時代はそうでした。

 ずいぶんと前置きが長くなりましたが、先日実施した模試で、ゼミ生のある男子生徒が前回模試から一気に30点ほど合計点数を上げてきました。偏差値でいえば4~5くらいの伸び幅。わずか1ヵ月での成長です。

 彼が短期間で点数を大きく上げてきた要因は「苦手の克服」。理科の特定の単元が苦手。数学の関数が苦手。だったら集中的に勉強してみようよとこの2週間くらいひたすら苦手分野の演習を繰り返していました。

 受験生のみなさんはぜひ一度立ちどまって自分の学習状況を確認してみてください。これまで受けてきた模試があればどういった問題や単元で点数を落としているのかを見直してみてください。苦手なところがあればそこを重点的につぶしていけば点数は上がります。

 入試の平均点が3割くらいなら得意科目の精度を上げて一科目か二科目で一点突破するような戦い方でも勝てるのかもしれません。しかし平均点が6割や7割の入試ならぜったいに5科目まんべんなく点数を取れる方が強い。1科目満点とったってたいしたアドバンテージにはならないから。

 30点爆上げボーイは得意げな表情で帰っていきました。この子はきっとまだ伸びます。だって得点の上げ方を身をもって経験できたから。むしろどこまで上がっていくのかが楽しみです。