国語だって点数は上がる
教室内平均点が順調に上昇中
ここ数か月分の中学3年生の模試データを見てみると、各科目ともに徐々に教室内平均点が上がってきています。中でも最も上げ幅が大きい科目が「国語」です。半年で15点(60点満点)ほど上がりました。8月で28.9点。11月で44.2点でした。おそらくここから入試までの間でまだ上がります。
国語に「点数が上がりにくい」「本を読まないと国語力は上がらない」などといった印象を持っている人も多いかもしれません。たぶん、塾講師でもそう考えている人間は一定数いるのかもしれません。塾によっては他科目に比べて国語の時間が極端に短いこともあります。
本を読まないと国語力は身につかないのか?
統計的なデータを持っていないのでこれに関してはてきとうなことしか言えません。本をまったく読まないよりはたくさん読んだ方が様々な好影響があるのだろうとは思います。しかしこと読解力に関しては読書量だけがけっしてその変数ではないと考えています。というのも、読書好きでも国語の問題がさっぱり解けない子もいれば、ふだんはまったく本を読まないのに点数は取れる子もいるからです。そして、そんなにめずらしい例ではありません。
では何が読解力に差をつけているかといえば次の二つだと思います。一つは「論理的に読む力」、そしてもう一つが「文章内容を整理する力」です。これは読み方のテクニックです。ですので読書の習慣のない子でも、訓練次第で身につけることができます。また、本を日常的に読んでいなくても何となく自然に身につけている子もいます。
中学3年生に国語を教えていて次のようなことがありました。
小説文の読解をしているときに、ほとんどの子がある問題で不正解でした。登場人物の心情を選択形式で選ぶ設問です。彼らの誤答はすべて同じ選択肢。理由は単純で、なんとなく登場人物に感情移入をしたためです。「自分だったらこう感じるだろう」「一般的にはこういうときはこう感じるだろう」といった考えから、ほとんどの生徒が同じ選択肢を選び、そして間違えたわけです。
国語で点数が伸びない生徒の多くがこういった読み方・解き方をしています。論説文であれば字面だけを目で追って流し読みをしています。文の構成を考えたり内容を整理したり、もしくは文章内容に問いかけたり、そんな読み方をしていはいません。だから解答が「なんとなく」になってしまうわけです。
高校入試の古文勉強法
古文を苦手にする中学生はひじょうに多くいます。そもそも古文なんて高校では単体で一つの科目になるくらいですから中学校の教科書で年に一回やそこら学習してスラスラと読めるようなものではありません。一応高校入試レベルの古文は設定が簡単ではありますが、日常的に古文に親しんでいない中学生たちにとっては意味をとるだけで一苦労です。
ですので七ゼミでは「古文に慣れる」ことを重視しています。現代文のように論理や整理などとは言いません。もちろん主語の追い方や知っておくと便利な子文法などは教えていきますが、それよりも重視しているのは「慣れ」です。
古文を読むたびに宿題として授業で読んだ古文をノートに書き写し、その横に解答を見ながら現代語訳を書くことをゼミ生にやってもらっています。たったこれだけのことですが、明らかに古文を読めるようになってきました。古文が苦手という受験生はぜひこの作業を継続してやってみてください。古文固有の助動詞や言い回しなどがなんとなく読めるようになっていきます。
国語はやり方次第で必ず点数が上がる科目です。受験まであともうちょっと。受験生の皆さん、がんばってください。