英語のテストで点数が伸びない原因はどこにある?
「単語がおぼえられない」
英語が苦手な生徒やその保護者と話をしていると、ときおり次のようなフレーズが出てくる。
「単語をおぼえない(おぼえられない)。だから英語のテストで点数がとれない」
それはつまり英単語をおぼえれば点数が伸びるということだろうか。だったらおぼえればいいじゃないかと思うのだけれど、一方で英語が苦手な子の課題を英単語のせいだけにしてしまう発想の方が心配だったりする。
たとえばフランス語でもスペイン語でも何語でもいいのだけど、単語だけ1000個くらいおぼえていればそれらの言語が「できる」のだろうか。おそらく単語だけではだめなことは想像ができる。欠けているものは何か。単語と単語とをつなげるルール(文法)だ。「話す・聞く・書く・読む」、どれも単語だけでは成立しない。
じゃあなんで英語の苦手な子やその保護者はまるでそれさえ克服すればといった感じで「単語が単語が」というのだろうか。おそらくその理由は二つだろうと考える。
一つは、子どもも保護者も本当に単語に原因があると信じていることだ。
そしてもう一つは、「文法は理解できている」という思い込みだ。そしてたいていの場合、多くの中学生がそう思い込んでいる。
あなたのお子様は英文を書けますか
もしお子様が「単語が…」と言うのであれば、一度英文を書かせていただきたい。分からない単語はブランクでいいので試験範囲の文のいくつかを日本語訳から英文に落とす。これだけでお子さまが本当に文法を理解できているかどうかが分かる。
子どもたちの書いた英文からはいろんな課題が見えてくる。動詞の活用、単数と複数、形容詞や副詞の位置、冠詞がないなどなど。
学校のワークや一般的な塾のテキストは穴埋めの問題や並び替えの問題が多い。だからその単元の「文法の形」さえ覚えてしまえばスラスラと埋められる。
また学校や塾の英語の授業もその都度一つの文法にしぼって教えていくため、教えられる「文法の形」だけ知れば子どもたちも「できた」と満足をする。
ところがこれが自分で英語を書くとなった途端に変な英文を書き始める。日本語訳ができないこともある。さっきまで現在完了の穴埋め問題をサクサク解いていたにも関わらず、述語が「~していた」となったり、受動態の文の述語が「~する」になったりする。
残念なことに、多くの中学生にとってこういった状況が実態である。
まずは自分でできることをやってみよう!
中学生が自分で細かい文法や文の成分を学ぶことはむずかしい。だから学び始めはある程度感覚的になっても構わない。やり方を工夫すれば使える英語感覚は身につく。
たとえばどうせ単語をおぼえるのであれば、単語ではなく「文」でおぼえるといい。そうすればその単語が文中でどういう使われ方をするのかも自然と感覚でつかめてくる。
また学校ワークなどを解く際は穴埋め部分だけを埋めるのではなく、穴埋め部分を含めて英文をすべてノートに書き写しながら解くといい。この作業を地道に繰り返せば、単語練習をしなくても書ける単語が増えていく。
定期テストに向けた試験勉強としては教科書本文の日本語訳と英訳を練習しよう。単語なんかをチマチマと練習する必要はない。教科書本文をすべて書けるようになるということは、試験範囲の内容をマスターするということだ。当然、単語なんかよゆうで書けるようになっている。