夏期講習の目的はどこに置くべきか

「春の遅れを取り戻そう!」が合言葉?

 今年も暑い暑い夏が間近に迫ってきました。学校が再開になったということもあり、野芥の周りは春先のどんよりとした雰囲気からちょっとずつ明るい雰囲気へ変わってきたように思います。

 七ゼミをはじめ、近隣の塾では例年と同じように夏期講習の準備を進めています。これまでよりも夏休みの日程が短くなったとはいえ、勉強にとって夏が大切であることに変わりはありません。夏が年間の中で自由に使える時間がもっとも多いからです。本格的に始める受験勉強、これまでの弱点を克服すること、9月の定期テストに向けた早めの対策など、それぞれの勉強課題に集中的に取り組むことができます。

 しかし今年に限っては、受験生であれ非受験生であれ共通の勉強課題があります。それは「春の遅れを取り戻すこと」です。学校は3月より3カ月ストップしました。その間の授業時間をリカバリーするために一日当たりの時限数を増やしたり土曜日登校をしたりと工夫を見せてはいますが、この3カ月の空白期間を取り戻すことはそんなに簡単なことではないと思っています。

 教科書内容を説明するだけならたぶん授業数を増やすだけで短期間でも終わらせられるでしょう。学校でも塾でも教師や講師はその点に関してはあまり心配はしていません(たぶん)。心配な点は「教科書内容が終わる・終わらない」ではなく、「理解・定着ができるかどうか」です。

 人間の脳は授業を聞いただけで授業内容をすべて理解できるようにはなっていません。演習など自分の頭と手で授業内容を再現する作業をしないと理解も定着もしません。果たして子どもたちはその作業を例年の1.3倍速でやれるか。定期テストの前にいつも「時間がない」と言っている子どもたちです。たぶんきびしいでしょう。

 だから多くの塾が夏期講習のチラシなんかに「春の遅れを取り戻そう!」などとうたっているわけです。七ゼミもチラシにはいれてはいませんが、今年の夏期講習のコンセプトとして春の遅れを取り戻すことを組み込んでいます。そのくらい、教育現場としての危機感は強いものがあります。

だからといって無理ばかりもさせられない

 春の遅れを取り戻すためには、まず単純に時間がほしい。とはいえ、あまりガチガチに勉強の時間ばかりを増やしてもいけないと思っています。特に夏の時期。なぜなら、今年は7月も8月もほぼ学校があるからです。

 夏真っ盛りなので、暑いです。きっと学校の先生は部活動もかなり力を入れてやるのでしょう。福岡のことです。最終下校19:30なんてことを7月・8月に取り入れる部活も一部出てくるのでしょう。日中は毎日のように学校の授業もある。そしてその後に塾。子どもたちの体力的な面を考えればかなりきつい。

 だから七ゼミでは中3以外の学年の夏期講習の授業時間数を毎月の授業数と同じに設定しました。「夏期講習」というお題目の前に授業数を増やすことはたぶん簡単です。みんな夏期講習は授業数が多いのが当たり前と思っているので。しかし今年の七ゼミはそれをやりません。

 時間がなくても工夫次第だと考えています。七ゼミは反転授業を取り入れていますので、授業中に演習と解説の時間がしっかりと取れます。また9月の定期テストに向けた学習スケジュールを生徒たちと共有・管理していきます。何も塾の教室だけが勉強の場というわけではありません。確かに今年は例年と違う夏になりますが、例年と違う工夫で乗り切ることはできるはずです。

「春の遅れを取り戻そう!」七ゼミ式の夏期講習にご関心がある方はお気軽にお問合せください。中3生はあと若干名で募集を停止しますので、お早めのお問合せをお願いします。

2020年度 七ゼミ夏期講習