便利さだけが正しいわけではないのかもしれない

カメラに映る影…

 オンラインで授業をやっていると、ときどき生徒の後ろに突然謎の影が映ることがあります。かわいい声で「何々?」と興味深そうにのぞいてくる影たち。正体はゼミ生の弟君や妹ちゃん。お兄ちゃんやお姉ちゃんがカメラを通して授業を受けている姿に興味がわくのでしょうか、なかなかの頻度で遭遇(笑)

 普段の教室とは違ってゼミ生たちも兄・姉の顔になる。注意したりなだめたり。特に授業の進行のさまたげになっているわけでもなく、個人的にはゼミ生と下の子たちのやりとりをほほえましく見ています。そして申し訳ないとも思っています。

オンライン授業が流行っているけれど

 下の子たちが無邪気にカメラに映りたがっているとお兄ちゃんもお姉ちゃんも申し訳なさそうになだめにかかります。いやいや気にしないで、大丈夫だよ。

 オンラインで授業をするということは、生徒たちは自宅の部屋から映像をつなげるわけですが、当然そこはプライベート空間であり、生徒だけでなくそのご家族の方々の普段の生活が営まれる場所です。そんな中で下の子たちに映像が気になってもカメラに近づいちゃいけないよとは言えません。あくまで彼らの空間にお邪魔しているのは私です。

 また生活空間からアクセスしているために、様々な生活音が聞こえてもきます。料理をする音だったり階段を歩く音だったり。逆の立場だったら私は落ち着かない。子どもが視聴するパソコン等を通して誰かに生活音が聞かれるとソワソワしそうです。

 だからご家族の方々にはご迷惑をおかけしているのだろうと思っています。またご協力いただけていることに感謝もしております。

 自粛や休校などイレギュラーな時期です。新しい生活様式なんてことも言われています。だけど、言うほどいろんなことを変えていくのは簡単じゃない。

 オンライン授業に関して特にご家庭から何か不満等を言われているわけではありませんが、最近授業をやりながらふとそんなことを考えました。「オンラインさえあればどんなときでも授業ができるやん!」と気づく。しかし便利さだけではたぶんダメ。ご協力いただいているゼミ生のご家族に感謝しつつ、甘えすぎないように想像力のアンテナを張らなきゃとあらためて思いました。