平均点が低いことは何の解決にもならない -学力調査からの感想-
保護者の方からいただいた話
先日、保護者の方との会話の中で全国学力調査の話がでました。なんでもテスト結果に心配になった他の保護者の方々が学校に問合せたとのことでした。
学力調査の平均点は普段小学校で実施するテストに比べて低くでます。おそらくこれまでに見たことがないような点数を子どもがご家庭に持って帰ってきたのでしょう。保護者の方としては心配にもなるのだとお察しいたします。
保護者からの問い合わせに対して学校側は「いつものテストよりもむずかしいんです。平均点も低いんです」といった感じの対応だったのだとか。
平均点が低いから「安心」にはならない
学校側の言っていることは事実です。福岡県の結果は国語が64点、算数が68点です。
しかし「じゃあ、うちの子も点数が低くてもしょうがない」と胸をなでおろすのは違うのかなと思います。考えてみてください。平均点が60点台というのは、中学校以降のテストであれば標準的な平均点です。入試の種類によっては平均点はもっと下がります。
そうれであれば、仮に小学校の時点で平均点が60点台になるテストでそれを下回っていた場合は、おそらく中学校以降のテストに関しても同じような結果をとるのだろうと予想ができるわけです。
小学校で学ぶ内容は学びの基礎になるものばかりです。もし理解できていないことや定着しきれていないこと、または基本的な論理の読み取りができていないなどの状況があれば、小学校内容を土台に展開される中学校の学習内容に苦労することになるでしょう。
だから「勉強は中学生になって頑張ろう」というのはおすすめしません。これまで多くの中学生を見てきましたが、中学校に上がっていきなり点数が落ちてしまう子の共通点は小学校時代の基礎ができていないことにあります。
学力調査の問題はふだんのテストよりもむずかしい問題ではありますが、一方で基礎や読解力がある子は高得点をとります。高得点を取る子とそうでない子の差、何も手を打たなければもっとはっきりした形で中学校以降に学力の差として出うるものなんだと思います。
平均点が低いことは子どもにとって何の解決にもなりません。