早めの準備が高得点のカギをにぎる(高校入試編)
なぜ受験生は夏以降に伸び悩むのか
私立前期入試まで2週間を切りました。いよいよ入試シーズン到来です。
受験勉強を本格化させる時期がだいたい中3の夏あたりからという受験生が多いようです。特に部活動に所属している子たちは夏に引退してから受験勉強を始めようという意識が強いのでしょう。私も中学校時代に部活動への思い入れが大きかったので、この感覚に共感するところがあります。
ただ、実際に夏からの始動だと「遅い」と感じることがあります。中3生が受験勉強としてやるべきことは大きく分けて3つ。まず中1・2単元の復習。次に中3単元を終わらせること。そして、入試レベルの問題に対応できるところまで実力を上げることです。その中でも私がもっとも注意を払うのは「中1・2単元の復習」です。
なぜか。
中1・2単元が理解できていなかったり覚えられていなかったりすると、入試問題に合わせたレベルの問題なんか解けっこないからです。もっともよくないのは、中途半端な復習の状態で入試レベルの問題にあたること。
自分流の勉強法にこだわる受験生に多く見られる傾向です。夏が終わると受験がどんどん迫ってくるように感じます。焦るのでしょう。市販の入試用教材なんかを用意して、とりあえず解いてみる。だけど解けない。分からないところは塾で質問したりもする。場当たり的に復習をしてみるけれど、模試などではどうしても点数が伸びていかない。
こういった場合は体系的に復習を終えられていないことが原因かもしれません。入試は一問一答のように覚えたことがそのまま答えになるなんてことはありません。その単元で学習することやその周辺知識をつなげて解答をしていくような「応用的な」問題ばかりです。だから腰を落ち着けて体系的に復習する時間が必要となってくるわけです。
中学3年生の2学期成績が高校受験に必要となることをご存知でしょうか。入試当日の試験と合わせて合否の基準となります。だから中3生は2学期の定期テストも手を抜けない。そもそも中3単元も入試に出題されるので、定期テストに合わせるだけでなく入試を見据えたレベルで中3単元を勉強していかなければなりません。
そして平行して中1・2の復習を走らせていく。ここがうまくいかずに模試で伸び悩む中3生が多く出てきます。
大切なのは「夏」じゃない 「夏までに終わらせる」ことが大切
「受験勉強は夏が大事!」という格言は今も昔も同じようで、いろんなところで耳にします。ただこの言葉の本質を理解している中3生がどこまでいるでしょうか。
この言葉の本質は「夏から頑張ろう!」ではありません。「夏までに復習を終えよう!」、これが本質です。つまり夏休みが終わるまでに中1・2の復習を一通り終えておかないと「2学期から思うように点数が上がっていかないよ」という格言なんです。
だから七ゼミの中3生夏期講習は復習メインのカリキュラムとなっています。そして他塾よりも授業時間が圧倒的に長い。それでもまだ足りないと思うくらいに、中1・2の復習を完璧にこなすには時間がいくらあっても足りません。
人間の脳は忘れるようにできている
先日、中学2年生の模試を行いました。今七ゼミに通っている中学2年生は今年度の夏以降に入塾した生徒ばかりです。彼らが塾で模試を受けるのは今回が初めて。まだ正式な結果は業者から戻ってきていませんが、彼らの答案をパラパラと見ていると、分かりやすい傾向が。
それは塾に入って以降に学んだ単元とそれ以前に学んだ単元とで、正答率に大きな隔たりがある、ということです。もちろん良いのは前者で悪いのは後者。
毎年同じような傾向が見られます。学年問わず、学習した時期が遠くなればなるほど子どもたちはその内容を忘れていきます。
どうすれば過去に学んだ内容を忘れないのか。たとえば本人が「この記憶は大切だ!」と思うものは忘れにくいらしいので、一つは刷り込みでしょうか。
「いいかい、この理科の内容はキミニトッテトテモトテモタイセツダヨ」と繰り返して効果があるなら私もそうします。しかし現実的には「復習」でしょう。
模試の度に解き直しの時間を作る、講習など時間が多く確保できるところで復習をするなどなど。
中学2年生はもう受験生
動き出しが早ければ早いほど、受験は有利になっていきます。まずは心構えだけではありますが、七ゼミでは中学2年生の生徒たちと
「今日から俺たちは受験生だ!」
と宣言をしました。実際に彼らもちょうど1年後には私立高校の入試を迎えます。入試に勝つためにはけっきょくは日々の努力を積み重ねることが近道です。その積み重ねをできるだけ高くするために、受験に向けた準備は早いにこしたことはありません。