受験対策 社会の勉強のやり方
社会は知識をつなげていく科目
さて、今日は久しぶりに社会について書いてみたいと思います。受験勉強のやり方についてです。
入試まで2カ月ほどになり、そろそろ過去問や入試形式の問題演習を始めている受験生も多いと思います。七ゼミもそうです。
しかし毎年この時期の受験生の社会の勉強法や演習法を見ていると、「ちょっともったいないな」と思うことがしばしばあります。たとえば入試形式の問題演習をする場合。たいていの生徒は演習をし、その後に答え合わせ。間違えた問題は各自のやり方でおぼえる、このサイクルです。もったいないと思うわけです。
社会の入試問題は知識のつながりが問われます。そもそも社会とはそういう科目です。だから一問一答のようにただ用語だけ覚えていっても知識のつながりという奥行きは出てきません。
昨日中3生と一緒に解いていた問題で「大久保利通」を選ばせる問題がありました。明治時代の内容が書かれたカードと関連した人物を選びなさい、といった風な問題です。正解であれば〇をつける。不正解であれば大久保が明治の人物であることを覚える努力をするわけですが、一方で大久保が明治時代の人物であることを知るだけのことに、受験勉強としてどれだけの価値があるだろうかとも思います。なぜなら、大久保が「何を」「なぜ」やったのかという視点を持てなければ、そこに関連する知識を得られないばかりか明治や幕末という時代の特徴や時代の流れといったものを整理しなおす機会を失うからです。
ざっくり言ってしまえば、そういった勉強方法では応用が利かない。自分で知識を整理できない。だから勉強効率が悪い。そしていつまでたっても、それこそ受験直前まで社会の用語を覚える作業を続けていくことになるわけです。
一つの用語から関連知識をつなげていこう
問題演習をする際は、選択肢や問題文、問題中の資料などにある用語から関連する事項を書き出してみてください。テキストや教科書を見ながらでもかまいません。そうすると相関図のように次から次へと一つの用語から枝葉が伸びていきます。枝葉がたとえば歴史であれば各時代の特徴や流れを読み取れるものになっていればそれで作業が一サイクル。枝葉の数だけ知識に奥行きが出てきます。
先ほどの大久保利通の例でいけばどうなるでしょうか。薩摩藩出身、幕末、明治時代、遣欧使節団、征韓論に反対、暗殺などなど。そこからさらに枝葉を広げていけば幕末から明治初期まで整理できそうです。
実際に七ゼミの授業では演習後にこうやって整理をしていきます。前回授業では1時間でテキスト1ページも進みませんでした。それだけ一つの問題から得られることは多いということです。
とはいえ、紹介したやり方は社会の勉強法の一例です。なにもこのやり方だけが正解でもありません。歴史に関して言えば、十分な時代感覚を持っていたり各時代のストーリー、背景などを理解できていればむしろ手間だけがかかる勉強法でもあります。そんな場合はむしろ単純暗記で抜けていた部分だけ埋めれば十分です。
もし社会の点数がなかなか上がらないなどお悩みであれば、ぜひトライしてみてください。