先延ばしをすると取り返すための時間と労力は倍になる?
エメットの法則に学ぶ
仕事を先延ばしにすることは、片付けるよりも倍の時間とエネルギーを要する
「エメットの法則」と呼ばれるものです。タイムマネジメントのエメットさんという方が提唱したことからそう名付けられました。
私はときどき目の前のやるべきことをつい明日に回してしまうことがあります。「疲れたから明日でいいか」とか、「めんどくさいからやっぱり明日でいいか」とか、その時に楽に方を選択して、結果やるべきことを先延ばしにしてしまうわけです。
エメットが言うように、翌日以降に先延ばしすることで倍の時間とエネルギーが必要になるかどうかは分かりませんが、少なくともその場で片付けたときに比べていくらかの労力がよけいにかかっている実感はあります。不思議です。
さてこのエメットの法則、勉強の場面にも当てはまるような気がします。たとえばテスト前。テストまであと1週間や2週間といった具合にまだ日数によゆうがあると、つい「明日からテスト勉強を始めてもまだ間に合うか」といった感じで勉強を先延ばしにしたことはないでしょうか。私はしょっちゅうありました(笑)結果的にどうなるか。テスト直前に時間がないと焦って必要なことをやりきれずにテストにのぞむことになりますね。
さらに受験に当てはめるとどうなるか。3年生になってから頑張ればいいや、部活を引退してから頑張ればいいや、冬ぐらいから本気になればいいやとどんどん先延ばしにしていくともう復習や入試対策や課題ばかりが山積みになり、とても完璧に仕上げて入試にのぞむことが難しくなります。いや、難しくにしかなりません。
多くの中学3年生にとっては高校受験が初めての受験
小学校入試や中学校入試を経験したことがない中学生にとっては高校入試が人生で初の入試となります。首都圏などでは中学受験をする子どもの割合は高いですが、七ゼミのある福岡県では中学受験者の割合はそんなに高くありません。現在七ゼミに通っている生徒は全員中学受験の経験がありません。
ですので、受験のために勉強をしなければいけないと分かっていても、受験までの時間の使い方が手探りで、ときによっては若干甘いところが見受けられました。つまり「今」やるべきことを先延ばしにすることがあったんですね。
特に苦手な科目は明らかに先延ばし。みんな取り組みが真面目なんでこちらから出した課題は苦手だろうが得意だろうがすべてやってきます。そして得意な科目や好きな科目は自主的に勉強も頑張っている。それこそ感心するくらい頑張っている。だけど苦手な科目に関しては与えられた物プラスアルファがまだ少ない。
本来であれば苦手な科目こそ分かりやすい「目の前の課題」となるのでしょうが、苦手なものって手を付けるだけでエネルギーが要ります。だから「そのうちやろう」で見て見ぬふりをしていたのかもしれないですね。
だけどエメットの法則です。先延ばしにすると、片付けることにもっと労力が必要になります。時間もそう。エネルギーもそう。ただでさえ時間とエネルギーを必要とする苦手科目のためにもっともっとそれらが必要になることを想像すると、もうよけいやりたくなくなっちゃいます。
課題はすぐに手を付けよう
七ゼミの中3生にはこのエメットの法則の話をしました。それからどう変化したか。苦手な科目に対する取り組みがちょっと改善してきたように思えます。
もちろん苦手な科目は塾としても授業や授業以外限らず積極的にフォローをしていきますが、そこに生徒たちの自主性が生まれなければ勉強効率は上がっていきません。入試まで3カ月ほどになってきた時期だからこそ、彼らにはあらためて勉強に向かう姿勢を見直す契機にしてほしいと願っています。
このエメットの法則。受験生はいわんや受験学年以外の生徒はなおさら必要な考えだと思います。「あのときやっておけばよかった」のまさにあのときにいるわけですから、今のうちから先延ばしにしない癖をつけておきたいものです。
やり始めるのは「今」。七ゼミの冬期講習テーマです。