その主語は何ですか?-国語力を伸ばすヒント-
ふだんの会話から実践できる国語力を伸ばす習慣
七ゼミでは授業を対話型でやっているので、授業中に私からしょっちゅう子どもたちに質問が飛びます。「なんで?」とか「どういうこと?」とか「つまり?」とか。それに対して子どもたちはどう答えるか。訓練をしていない生徒はたいていの場合において、フレーズで答えます。
「つまりこれってどういうこと?」
「助動詞」
「なんでここはこうなる?」
「平行だから」
こんな感じです。どうでしょうか、この会話例だけ見ても子どもたちの言いたいことがまったく分からないですね。なぜなのか。主語がないからです。
こういった「主語がない回答」はきっと今の子ならではの傾向ではないと思います。大人でも、いったい何を答えているのか、または何を説明しているのか分からない人がいますが、たいていの場合、主語が抜けています。
フレーズで返答をする弊害は大きいと考えています。たんに自分の考えをうまく表現できていないということに留まらず、もしかしたら論理的な思考ができていない可能性があるからです。
言葉は何かを表現するツールですが、一方で私たちの頭はそのツールである言葉という枠組みをつかって物事を理解している側面があります。言い換えれば、主語や熟語、接続詞などの言葉・文構造を知っているから論理的に物事を考えられるということです。だから子どもたちの発する言葉にはいちいち目くじらを立ています。正しい表現を意識させることで、彼らの思考法が変わるからです。
七ゼミの対話式授業はただ生徒に質問をし答えさせるだけのものではありません。子どもたちの表現力を通して、論理的に物事を考えられるように促したり誘導したりするものです。
筋道を表現するのに適した言葉を使いこなせるようになれば、ほんとうに思考法が根本から変わります。そしてこういった訓練は日常から習慣化することが大切です。だからこその対話型授業です。
ぜひ七ゼミの授業を体験してみてください。