定期テスト前だから考えたい復習の大切さ

復習することが大切だと、たぶんほとんどの人が知っているけれど

 おそらく、勉強するうえで「復習なんか意味ないよ」と考えている人はあまり多くはないでしょう。理解を深めたり記憶を定着させたりするためには、方法はともあれ復習することはとても重要です。

 しかし「どう復習するのが効率がいいんだ?」という問いに関しては人によって意見が異なるかもしれませんね。巷にはいろんな「復習法」が出回っていますので、情報過多でいったい何が正解か分かりづらいところがあります。

 結論から言えば、「あまり細かいことにこだわらなくていいんじゃないかな?」と思っています(笑)

 理由は単純で、「マニュアル通りにはできない」からです。私も高校生時代に大学受験に向けてとにかく効率のいい勉強法を知りたいと思う時期がありました。学校の先生や友人に尋ねてみたり、本屋でそういった情報が載っていそうなものを探してみたり(当時はネットが今ほど普及していなかった…)しては、とりあえずよさそうな方法を試してみました。しかし、だいたいは途中であきらめる。ようは自分に合わない窮屈さを感じちゃうわけです。

 ですので、大ざっぱでいいのでとりあえず復習の要点だけ把握して、それを確実に実行できるように自分なりに落とし込んでいけばいいのだと思います。

 大切なことは、「復習」をちゃんと「実行」することです。

人間の脳は「忘れるように」できている

 そうです。専門的なことは私も分かりませんが、まったく不便なものです。せめて会ったことのある人の顔くらいは覚える機能があればと心から思います。

 脳が何かを記憶するためには何度も脳に情報を送って「これは大切な情報なんだよ」と気づかせてあげないといけないらしいですね。自分の脳みそなのに自分の意志通りに動かないところもまた不思議。それはともあれ、ようは「復習すること」が人間の脳の構造上不可欠、ということは確かなようです。

 さて、勉強の方法は「集中学習」と「分散学習」という二つに分けることができます。集中学習とは短時間の中で続けて同じ内容を学習することです。イメージとしては試験前の「一夜漬け」。一方、分散学習とはある程度の時間間隔をあけて復習する学習です。

 集中学習も大切なんです。特になにかを「理解」するフェーズでは一気呵成にやってしまった方がいいようです。「分からないから明日やろう」ではなく、「分かるまで今やってみよう」とイメージすると分かりやすいかもしれません。

 ただ定着を図る段階ではやはり分散学習です。脳に忘れちゃいけないよと伝えないといけませんからね。

分散学習の上手なやり方って?

 ここがけっきょくは分かりづらいところです。いろんな研究がなされている領域なようで、ちょっと調べるだけでいろんな情報が出てきます。〇日開けて復習すればいいとか、段階を経てこういった間隔で勉強した方がいいとか…。

 ただ、おそらくすべての研究で共通していることは、「ちょっとは間隔をあけて復習しようね」という点です。学校や塾で勉強したことは授業の当日ではなく別の日にやろうね、といった感じでしょうか。さすがにこれを「じゃあ授業の3か月後に復習しよう」とはならないと思います。

 あとは復習の回数でしょうか。たとえば同じ問題を2回やるのか3回やるのか、それとも10回やる必要があるのか。ある研究では同じ問題を数日おきに5回やって5回目も解ければ(覚えていれば)定着している、という結果が出たそうです。ただ、律義にどの問題も5回やる、というのは難しいかもしれないですね。特に中学校の定期テストに向けて、ということになればスケジュール的に現実的ではないでしょう。

 こういったことを調べていくと、やはり復習の大ざっぱな要点だけ吸収して自分のできる範囲で実践した方が生産的なような気がします。特に中学生にもっとも合理的な方法での勉強を求めるのはむずかしいと思います。子どもたちが実践可能でできるだけ合理的な方法に落とし込んで指導する、これも塾の腕の見せ所かもしれないですね。

 復習を効率よくすすめるためにも、中学生の皆さんはぜひスケジュールを組むことから始めてみてください。5回とは言わないまでも、試験範囲をすべて定着させるにはそれなりに復習の機会をとる必要があります。定期テストの勉強法では復習と合わせて、「時間の使い方」も大切な要素になります。

定期考査・定期テストの勉強計画表は❝因数分解❞で作ろう