塾業界ってどうなの?-教え子からの突然の質問-

塾業界を志す、教え子からの質問

 大学4年生になる教え子から久しぶりに連絡をもらいました。なんでも大手の学習塾と別業種の会社から内定を得られたけど、どっちに進むべきか迷っているとのこと。そして超ド直球の質問がくる。

「塾業界って世間からの評価あまり高くないですよね?実際に働く立場として、塾業界ってどうですか?」

 うん、これ私の方が聞きたい。塾業界ってどうなんでしょうね(笑)

塾業界に対する世間様の評価

 塾業界の評価って言葉で表すとだいぶん抽象的ですね。評価って言ってもいろんな基準の評価がありますから。彼の言葉を勝手に補うと、最近はやりの「ブラック?それともホワイト?」という労働環境がまず一つの基準となるでしょうか。

 こればかりは会社次第。何も塾業界に限ったことではありません。どの業界でも同じだと思います。「この業界はこんなことがありがち」のような「ありがち論」になれば塾業界全体としてのブラック度・ホワイト度は出せるのかもしれませんが、やはり自分の就職する会社の状況をしっかりと調べるのがいいと思います。けっきょく労働環境って一般論の中で決まるのではなく、会社ごとで決まるわけです。

 他に評価ってなんでしょうか。給与?キャリア?まあこの辺も本人の頑張り次第でしょう、他業種と変わらないです。

 何にせよ、塾業界にどっぷりつかっている私が塾業界の一般的なイメージを語ってもつまらないと思います。ですので、その教え子含めこれから塾業界を目指す若者たちのために、業界人ならではの(?)私が感じる世間様からのニッチな評価を紹介してみましょう(笑)

塾業界のリアルな評価はこうだ!

モテません…

 そう、まずはモテない!

 だって仕事の定時が22時あたりですよ?残業なんかしてたらあっという間に終電になる時間ですね。結婚を意識するようなお付き合いには不利です。

 私は運よく社内結婚で塾業界の働き方に理解ある女性と巡り合えました。「仕事遅いの当たり前だよね~」と妻は言ってくれます。うんうん、社内結婚とか同業の人との結婚じゃなきゃきっと「今日も仕事遅いの?」とか「たまには夜に家族で外食行きたい」とか言われていたのだろうと自分の巡りあわせの良さにホクホクしたものです。

 ただ、そんな同業経験のある妻でさえ子どもが生まれるとボソッというわけです。

「いつも子どもと二人で食事をしたりお風呂に入るのはちょっと寂しい…日曜はみんなで過ごせるからうれしいね」

 これはかなり心臓をえぐられます(妻も息子もごめんよ…)。きっと想像力たくましい女性は結婚前からこういったすれ違いや寂しさを見通します。そして本当に注意しないとすれちがいます。

ファッションが独特…

 塾業界だけじゃないかもしれませんが、「先生」と呼ばれる人たちに奇抜なファッションセンスを持つ人が多いのはなぜでしょうね(笑)ここはまぁあまり多くは語りませんが、うん、独特な人が多い。

学歴高い方がいい先生

 勉強教えるんでこういったイメージがつきやすいんですかね。実際は学歴と教え方のうまさは比例しません。

 スーパー講師とかエース講師とか呼ばれる人って学歴で売っている人はほぼいないと思います。それよりもしっかりと授業研究や教材研究をしたり、人を惹きつける話し方などを身につける人が評価を得ていきます。ようは授業が分かりやすかったりおもしろかったり、もしくは生徒の成績を上げられたりできる先生が生徒や保護者の支持を得ていく業界です。

 そうは言っても、生徒・保護者からすると講師の学歴は一種の安心材料ではあるのかもしれません。ですので、ほんのときど~きですが、教える側と教わる側での学歴に関する意識ギャップのようなことが起こります。教える前段階から学歴で信用されなかったりだとか。まあ、ほんのときど~きですが。

人前での話がうまい!という評価をいただきやすい

 ネガティブな評価から入っちゃいましたので、ここからはポジティブな評価をご紹介します d(ゝ∀・)

 まず、人前で話すと思う以上に高い評価を得ることがあります。冠婚葬祭や親せきの集まりのときのスピーチなどの出番が回ってきたら腕の見せ所です(笑)

 人前での妙な場慣れ感が出てきますので、他のスピーカーとの格の違いを見せつける絶好のチャンスです。

子どもが好きだと思われる

 実際に子どもが好きで塾講師をやっている人が多いので特に問題のない評価ですが、あなたが大学受験を専門に考えているならちょっと注意が必要です。

 私のいとこの旦那さんが予備校で高校生をメインに教えているのですが、たぶん小学生以下の子どもの相手が苦手。なのに「先生」という職業柄、親せきの集まりの度に「きっと子ども好きに違いない」という周りの思い込みの犠牲にあっています(笑)

けっきょくやりがいを見つければどんな仕事もおもしろい!

 と思います。私も大学院時代は別に夢や目標があって塾講師をまさか一生の仕事にしようとは思っていませんでした。ですが、今やおおげさではなく天職だと思っています。

 塾講師だけでなく、きっとどの職種でもそれぞれにおもしろさがあるはずです。ようは楽しんだもの勝ち。周りからの評価もあるでしょうが、それよりも自分から見た自分への評価を大切にしてください。楽しんで仕事ができていれば、周りからの評価なんてどうでもいいと思えるようになりますよ。

 ちょっと生意気ですが結びに変えて。