定期テスト・定期考査の勉強計画表は“因数分解”で作ろう

定期テスト・定期考査対策は計画が大事

 ゴールデンウィークが終わって、さっそく定期テストが行われる中学校も多いと思います。

 七つぼしゼミナールがある福岡市ではもう少し先、6月が年度最初の定期テストになりますのでもう少しのんびり構えていられますが、それでもそろそろ定期テストを意識した勉強に切り替える時期だと思います。

定期テスト・定期考査の勉強計画表は必要?

 定期テスト前には、まずテストに向けた勉強計画表を作ることをお勧めします。計画を立てずに勉強を進めると、テスト直前になって時間が足りなくなったり、また場合によっては何から手を付けていいか分からなくなり勉強の効率が上がらないことがあります。

 私自身もそうでした。何でも後回しにしてしまう性格もあり、「まだテストまで1週間あるし、今日は勉強しなくてもいいかな」と悠長にかまえて気づけばテストまであと3日…といったことがよくありました。テストの結果はといえば、もちろん悲惨な結果に。

 そうならないためにも、自分の教え子には勉強の計画の大切さを常々話しています。そして実際に計画を立てさせています。

計画は“具体的に”の意味を間違えないようにしよう

 中学生の子どもたちに勉強の計画表を作成させると、だいたいにおいて計画内容が抽象的であることが多いです。

 よくあるパターンがこちら。男子に多く見られる傾向です(笑)

 計画を立てることがめんどくさいのか、もしくは計画の立て方が分からないのかどちらかだと思います。この計画通りに勉強をすすめた場合、もっと細かい段取りを頭の中で把握したりスケジュール感覚を意識しないと、けっきょく試験までに時間が足りないということが起こります。こういった計画であれば立てても立てなくても同じかもしれません。

 それに対して、たとえば上の計画表に対して「もっと具体的に立ててみよう」と再提出をさせると出てくるのがこちら。

 先ほどのものと比べると実際に取り組むワーク類やその対象ページが記載されています。確かに具体的になってきました。

 試験範囲をまんべんなくこなすのであれば、こういった計画で十分かもしれません。範囲内容が過不足なく計画に反映されていれば、勉強漏れは避けられます。ただ、ワークや教科書のページを基に演習や暗記の計画を立てるだけでは、勉強の効率面から見るとまだ不十分です。

 考えてみてください。試験勉強をする場合、みなさんはどこに力点を置くでしょうか。まんべんなく試験範囲をこなすこと、ではないはずです。それよりも、「自分の苦手な部分」ではないでしょうか。

 せっかく計画を立てるのであれば、ぜひこの「苦手な部分」を意識したものにしてください。そしてどう勉強を進めればその苦手な部分を克服できるかまで落とし込んでください。

計画を作る前に単元や要素の関係を考えよう

苦手の根本を探そう!

 各教科はそれぞれいくつかの単元で構成されています。そしてそれぞれの単元はいくつかの要素で構成されています。教科書内容は、紹介されている順番でそれぞれの要素を理解していくことでそれを含む単元が理解できるように作られています。

 たとえば中3数学を例にとれば、教科書の構成通りに単項式の乗法・除法を理解してから多項式の乗法・除法へ入っていった方が理解しやすいわけです。もし多項式の計算でつまづくのであれば、原因は単項式の計算にあるかもしれません。

 単元間のつながりは学年をまたぐこともあります。中2単元の化学式と中3単元のイオン式だったり、中1から中3までの動詞の活用であったり、例をあげると枚挙にいとまがありません。

 実際に中学生が自分で勉強計画表を作る際はここまでむずかしく考える必要はありません。それぞれに「何ができないからここもできないのか」と考えさせるだけでだいたいは問題の根本に子ども自身が気づけます。

 ただし、本当に勉強が苦手な子どもは「どこが分かっていないか」を分かっていないこともあります。その場合は子どもと一緒になってどの単元や要素までさかのぼって復習していくかを考えてあげる必要があります。

勉強計画を練ろう!

 どこに重点を置けばいいかが分かったら、いよいよ計画を立てます。ここでのポイントは二つ。「何をどう勉強するのか」と「どういう順番で勉強するのか」という点です。

 まず「何をどう勉強するのか」についてご紹介します。

 たとえば因数分解の分数がらみの問題が苦手な場合、そういった問題をパターンが身につくまで演習をする。それを3日おきに3セット、といった感じです。

 文章題が苦手であれば、苦手なパターンの類題をこなすでもいいですし、分からないときは塾や学校の先生に〇×日に必ず質問に行く、でもいいかもしれません。

 次に「どういう順番で勉強をするのか」についてです。

 英語を例にとってみます。

 「単語→教科書本文→文法」という想定です。各科目ごとに理想的な勉強の流れがありますが、英語の場合であればこの流れが一般的でしょうか。例にとった教科書では中2の最後に受動態、中3の最初に現在完了という流れになっています。そのため、中2で習った過去分詞の単語も試験に出てくるかもしれません。単元のつながりが把握できていれば、何を復習しておいた方がいいかも分かります。

 ここまで計画が具体的になっていれば、勉強する時間の枠組みは特に決める必要はありません。たとえば教科書本文をその日は1時間勉強すると決めていても、実際は1時間かからないかもしれませんし、1時間では足りないかもしれません。ですので時間の枠を設けることはあまり意味がありません。

 それよりも、いつまでに何を完璧にするかを意識しましょう。試験勉強の目的は勉強の時間数ではなく、試験範囲の理解度に置くべきです。理解度に合わせて、時間を調整してください。

勉強計画を立てることは勉強のスタートにすぎない

 勉強計画を立てたところでいざ勉強です。

 計画通りに勉強を進められれば、効率よく定期テストに向かっていけます。ただ、私のように「計画を練って満足!」という性格の子どももけっこう多いので、計画倒れにならないよう、進捗具合のチェック方法やモチベーションの管理など、違った課題も出てくると思います。

 また、計画はあくまで計画ですので、勉強を進めているうちにスケジュール通りにいかないこともしばしば出てきます。ですので、勉強の計画を立てる際はスケジュールに余裕を持たせましょう。七ゼミが試験の1ヵ月前から計画を立てさせるのもそれが理由です。試験の1週間前、少なくとも3日前までには試験範囲内容のほとんどを理解できている状態が理想です。残り数日を調整日としてください。