計算力よりも大切なこと

算数は計算力を鍛える科目ではない

 算数や数学を教えていて、つくづく「算数の力=計算力」ではないなと感じています。計算力はもちろん大事。算数や数学の大切なツールなので、これができないと話にならない。だけど計算ができれば算数や数学が得意になれるかと言われればはっきりNo。

 じゃあ何が必要かといえば、それは「論理的思考力」です。複雑に絡み合った情報を整理し、理屈をとらえ、それを相手に分かりやすく伝える。算数や数学で求められる力ってそういうものなんだと思います。

 だから小学校のうちから先取りで中学校の計算だけを解けるようになったって大してアドバンテージにならない。そんなものは中学校に入ってからでも十分に身につくスキルでしかないので、小学生のうちは論理的思考力を鍛えた方がよほど中学校以降の数学にとっては役に立つと思います。

 論理的思考力といっても特別な訓練をしなければならないわけではありません。割合やグラフや図形など、教科書に載っている内容を深く理解するような勉強をすること。いろんな文章に触れ、そして自分の考えを言葉で表現する練習をすること。

 計算特化で勉強させるより、よほど中学校以降の心強い武器になると思います。